気づき、想い、行動、教育

海は、地球という惑星の活気の源となる生物学的・経済的な原動力です。私たちが呼吸している酸素の半分は、海からもたらされます。海は何十億人もの人々に食料と仕事を提供しています。病気を治す薬も生み出してきました。国際的な輸送にも海は欠かせません。そして、地球温暖化との闘いにおいても、海は重要な役割を担っています。

しかし、これほど多くの恩恵を与えてくれるにもかかわらず、海は危機に陥っています。汚染やサンゴの白化、魚の乱獲や沿岸部の開発、そして海岸浸食が、私たちの最も重要な資源に高い代償を強いているのです。

国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、日本財団は、多くのコミュニティや国々が海の健全性を改善するのを支援するための国際的な対話を開始することを約束しました。その約束を果たすため、現在、日本財団はThe Nature Conservancyとの協力の下、日本政府と共にこうした課題に対する答えを探し求めています。その結果として、「海の人材育成に関する国際シンポジウム」を初めて開催する運びとなりました。

このシンポジウムは誰もが参加可能で、海の健全性を改善するためのキャパシティ(能力)構築に関する革新的な取り組みについて検証を行います。海を大切にする方法を改善するために有効な策とそうでない策、改善の可能性がある領域を発見するために、(小さな)コミュニティレベルでの活動や国際的なネットワークにおいて成果を挙げている活動の実践例を紹介していきます。

具体的には、海洋教育、海洋生物資源管理、海洋と沿岸管理、気候変動への適応、多様な利害関係者間のネットワークなどの問題に関連する人材育成に特に効果的な取組みを取り上げ、それぞれについて上述の要素を検討していきます。さらに、キャパシティ(能力)を向上させ、それを維持していく上での困難な課題についても議論します。

総合的に見れば、持続可能な「ブルー・エコノミー」は実現可能です。実現すれば、雇用や食料、観光やエネルギー、さらにそれ以上のものを世界に提供すると同時に、現世代および将来世代のために海の健全性の保護と保全をもたらします。

まずは、海がもたらす地球上の生命に欠かせない恩恵に気づくことから始めます。そうすることで、何百万人という人々に、海を大切にし、保護しようという想いと行動が生まれます。海を守っていくための世界中のさまざまな人々に対する教育を通じて取組みを続け、その過程で人と人とをつないでいきます。このシンポジウムは、科学、政府、産業、学術界、国際機関、市民団体を横断する形で新たなパートナーを結集し、海を守るために必要なあらゆる側面に焦点を当てていきます。